世界初の「同期スライド付動画配信サービス」の開発に挑む-KUROKO story-
新たな挑戦
「株主総会などの様子を撮影して、インターネット上にあげられないだろうか」
2006年9月ごろ、上場したとある企業から受けた相談をきっかけに、サイトスコープの新たな挑戦が始まりました。
東証マザーズに上場すると2年間は投資家向けに事業説明会などを一定回数実施しなければいけないルールが存在します。
そのため、撮影した株主総会などの映像を手軽にインターネット上で公表したいと相談を受けたのです。
当時は、YouTubeがわずかに脚光を浴び始めたころで、まだ動画をウェブで簡易的に配信できるサービスや仕組みは整っていませんでしたが、すでに世の中に存在する技術を発展させることで、動画配信サービスを作れると考えた当社は、動画プラットフォームの開発に取り掛かることを決めました。
サイトスコープ設立後2007年〜2008年ごろの総合ポータルサイト事業展開の裏で、これまでにない新しい仕組みやシステムを構築するという挑戦が始まったのです。
動画プラットフォームの開発
動画配信プラットフォームの開発に向け動き始めたものの、ただ動画をアップロードし自動でエンコードして配信するだけでは、すでにYouTubeなどいくつかのサービスが立ち上がってきていたこともあり、独自性がないとの判断になりました。
そこで、投資家向け説明会や株主総会でプロジェクターで投影する映像も動画と一緒に同期させて流せないか?ということに着目します。
Adobe社のFLASHやアクションスクリプトをベースに、配信するプラットフォームの開発に成功し、2008年3月に「IR Times β版」をリリースしました。
※Adobe Flash:アドビが開発していた動画やゲームなどを扱うための規格、またそれらを作成・動作させるアプリケーション群。
※アクションスクリプト:再生コントロールやデータ表示等をアプリケーションに追加することができるプログラミング言語。動画や音声のプレイヤーの作成など、コンテンツに複雑な処理や双方向を持たせFlash作品を作ることができる。
IR Times誕生
IR Timesは、このように新興市場に公開されている企業の経営者の方々のコスト意識から要望されて生まれたサービスです。
IR Timesを活用することで、簡単に自社サイトで決算説明会のスライド付き動画を共有することができます。もちろんスライドのない動画だけの配信にも対応しているので、リクルーティング用動画や社内イベント、社員インタビューなど、アイディア次第で利用方法は多岐にわたりご活用いただけます。
2008年4月1日に、IR動画配信サービスを業界最安水準で提供する「IR Times」として正式にリリース。
リリース後、上場企業の情報発信に活用できないかと上場企業のIR支援を行う最大手である宝印刷の目に留まり、大手上場企業からも参画いただけるようになりました。
さらに名古屋証券取引所をはじめ、様々なOEMとして利用され「IR Times」は国内最大級のサービスへと成長しました。
※以下当時のIR Times
開発はかなり難航しましたが、当時世界中をみても同じ試みをしている会社は見つからず、世界初の仕組み作りを成し遂げた実感が確かにありました。
IR Timesは世の中にない新しい仕組みを作り、イノベーションを起こすことを掲げながら取り組んだサービスの一つです。
企業側から生まれた投資家向けへの情報発信サービス「IR Times」、以前の記事で取り上げた個人投資家向け総合ポータルサイト「とれまが」、当社はどちらの目線からもアプローチをかけたサービスを運営したことで、その後の金融業界の発展に大きく貢献できたと自負しています。
IR Times
https://www.irtimes.com/